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2023.06.07

🖋伝統の無監督試験・無事終了🖋

去る6月5日から7日まで、令和5年度第1学期の中間定期考査が行われました。
創立記念祭・なでしこ祭・宿泊学習など、学園生活で生徒の成長を実感する機会はたくさんあります。
学校行事が「動」の感動ならば無監督試験は「静」の感動、本当に生徒の皆さんは素晴らしいと思います。

愛国中学・高等学校では定期考査を学習成果の確認や学力向上の場としてだけでなく、
校訓「親切正直」の理念実践の大切な道徳教育の機会とも考え、すべて無監督で行っています。
試験では担当教諭が問題と解答用紙を配布し、試験開始を確認して職員室に戻り、最後に解答用紙を回収。
途中で教科担当が質問を受けたり監督者が体調などの確認のため教室を訪れますが、基本は無監督となります。

本校の無監督試験の歴史は古く、昭和33年(1958年)に、まず高校1年の1クラスで試みに行ったのが始まりです。
前理事長・三浦亮一先生が学級主任だった芙蓉組に愛媛県の学校で行われている無監督試験を紹介なさいました。
当時の芙蓉組は普通科で愛国中学校出身、生徒たちは無監督試験の提案を受け入れて第2学期の「物理」で実施。
もちろん生徒を全面的に信頼して実行したとはいえ、定着している現在とは異なりすべて初めてのチャレンジです。

「もし不正の気持ちが起こったら、自分の良心に訴えて実行を中止せよ」
「もし隣席の者が不正の気持ちを起こした時は、友情を以て中止させよ」
事前指導の言葉に、今では普通に、ごく自然に行われている試験の前とは違った緊張感を覚えます。

試験は大成功、もちろん不正行為などあるはずがなく生徒も自信を深め、教育的効果が高いと思われました。
次年度は中学新入生から順次初めて6年計画で全校無監督としていましたが、上級生からの希望が相次ぎました。
その結果昭和36年度(1961年年度)より中学1年から高校3年の全クラスで実施され、今日まで受け継がれています。

今も生徒の皆さんは引き締まった雰囲気の中で「信頼されること」「信頼し合うこと」の大切さを体感しています。
監督者無しというのは、消しゴムを落としたり答案用紙が風に飛んでも誰も拾ってくれないという事でもあります。
机の中には何も入れず、机の上には筆記用具のみ、生徒は消しゴムを2個用意しシャープペンシルの芯を確認します。
「ちょっと貸してね」がない無監督試験は、心構えの一つとして自らの事は自らの責任で行う「自治」も学びます。

校訓を守り伝統を受け継ぐ自覚と誇りとを胸に粛々と試験に臨み清々しく試験を終えた皆さん、どうもありがとう💖
明日はスポーツ大会、ドッチボール・バスケットボール・バレーボール、そして気合いの入った女子校綱引き!です。
暑さや感染症に十分注意しながら、元気いっぱい頑張りましょう!

古典の採点、終わりました。
試験の結果をお楽しみに。

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