• 2019年05月11日 お絵描き
  • 新年度がスタートして1ヶ月が過ぎ、日々忙しく子育てや仕事に追われてお疲れの方が多いのではないのでしょうか。もし少しでもお時間があるときにはお子さまと一緒に絵を描いて見るのも良いと思います。今回は「お絵描き」についてです。

    絵を描くときには、クレヨン、色鉛筆、水彩絵の具、マーカー、カラーペンなど、色とりどりの様々な画材があります。クレヨンは柔らかいので、力を入れずに描け、反対に力強く塗り込むことも出来ますので、気持ちを強く表現するときには良いと思います。色鉛筆は細い線で繊細なタッチが出せ、斜めに使えば広い面も塗れるので、塗り絵に適しています。水彩絵の具は色を混ぜて別の色を作る「混色」を体験する事が出来ます。マーカー、カラーペンは、はっきり、くっきり描けるので描きたいものが決まっている時や、集中したい時に効果的です。油性のものは下にしみ出すことに注意してください。

    次に紙選びですが、ノートであればしっかり開くリングタイプが使いやすいと思います。落書き帳やコピー用紙は、お子さまの作品をそのままお部屋に貼る事が出来ます。お絵描きに集中するようになれば、スケッチブックがおすすめです。表面に凹凸が有り発色が良く、線がはっきり見えるので、楽しみがより味わえ、作品が時系列で並ぶので上達も感じられます。大きく描くのであれば、模造紙やカレンダーの裏を使用するのも良いかもしれません。はみ出す心配が無く伸び伸びと描けて楽しさが広がります。

    次に描く時期の特徴についてですが、年齢はめやすであり、お子さまの興味などによって異なります。

    1~2歳頃はお子さまが一番初めに出合う絵です。お子さまは自分の手の運動が形となって現れることに興味を示します。点や短い線を叩くように描きます。次第に手首だけでなく、肘も使うようになり線がなめらかになります。

    1歳6ヶ月~3歳頃はしっかりと強い線や曲線や円形などが描けるようになります。一生懸命描いているという事を誉め、さらにがんばるように自信を深めてあげて下さい。

    3~4歳頃のお子さまは描いているうちにお話するようになり線のかたまりや円形らしい物を指さして「りんご」や「お母さん」など描いたものに名前をつけるようになります。この時期お子さまは△や▢や〇などを描くようになります。それは見たり聞いたりの経験の中で偶然に思いついた事を記号に変えて、象徴的に表わす時期でもあります。「考えてから描く」のではなく「描きながら考える」ことを繰り返しながら絵が展開していきます。またこのころには「頭足人」(とうそくじん)という、顔から手や足が描かれた人物が描かれる事がありますが、この表現は世界中の子ども達に共通する表現です。

    3~5歳頃は、自分の知っていることを形にしたり経験したことを表現しようとしたりします。この時期の特徴は描かれた物同士に全く関連性がないことであり、お家よりも大きな人が太陽の横にいるというように大小関係や、つりあいなどが取れていません。絵を描いている時のお子さまの話を聞き、共感や興味を持って質問し、たくさん描きたくなるように促して行きましょう。

    6歳頃はお子さまが知的な面でも情緒的な面でも成長し、自分を取り巻く周囲との関係や状況を知るようになっていきます。一つ一つの事物について確かな認識を持ち、それぞれの概念も形成されていきます。大きな特徴として「ベースライン」があります。例えば、低い位置に地面を表わす一本線を引き、その上に家や木・花や人物などが並びます。あるいは、空の環境にも線を引いてその上に遠くの山や景色を描く事もあります。

    お子さまが描いている時に絵について大人の思いを伝えすぎるのはよくないですが、何でも「自分で考えなさい」と言えば、お子さまは「絵って難しいな」と感じてしまうこともあります。大人がお手本を描いてあげるのも良いかもしれません。描きたい物が描けることは楽しいこと。その楽しさを優先させてほしいと思います。

    また、重ね塗りは思う存分やらせてあげてください。単色でしか描けない時にはその時にはその色で表現したいのだと思います。

    お子さまが描いた絵を通じて会話をしていくことでコミュニケーションを図り楽しい時間をお過ごしください。色々な発見があるかもしれません。また、なでしこ保育園では入園して絵が描ける時期からの作品を一つずつ大切に保管し、長いお子さまは6年間の成長記録として卒園の際にお渡ししております。 (保育士 澤田)