• 2019年09月4日 「ボール遊びについて」
  • こんがり日焼けした園児の皆さんの顔に、この一夏での成長を感じております。

    なでしこ保育園では毎年きりん組の4・5歳児を対象に、毎週1回愛国高等学校体育科の先生による体操教室を行っています。正しい整列の仕方に始まり、準備体操も一つ一つどんな意味があるのか園児さんにもわかりやすく説明して下さり、そのあとに走り方・肋木(ろくぼく)登り・なわとびなど、いろいろな運動を教えていただいています。

    その中でも特にボール遊びは子どもたちの体力向上のために必要とのことで力を入れて下さっています。近ごろでは、小学校に就学し体育の授業などでボールをつかめなかったり、投げられなかったりする児童が多くなっています。その原因のひとつとして、公園などでの使用が禁止されていてボールで遊ぶ機会が減ったことがあげられます。また外で遊ぶよりも家の中でゲームをする時間が増えることによる筋力の低下も考えられます。

    そこで今回は、バランス良く健康的に運動が出来る遊具としてのボール遊びの大切さ、楽しさについてお話します。

    体操教室では、まずボールを床にバウンドさせて両手でつかむところから始めます。しっかりボールをつかむことを覚え、力の入れ方次第でボールが跳ね返る高さなどを自分で確かめていきます。また、2人組になってボールをまっすぐ相手に転がしてキャッチし合うことや、壁に向かって投げて跳ね返ったボールをキャッチする運動も行います。壁やお友達に投げるのは上に投げるよりも距離が遠くなり、「投げる」「取る」がより難しくなります。思うように扱えず常にボールを追いかけていたり、上手に投げられず壁に届かなかったり、投げる力が強すぎて跳ね返ったボールをキャッチ出来ないなど、最初はうまくいかないことも多いのですが、その表情はどのお子さまも生き生きしています。お子さまにとって重要なのは、上手に出来ることよりも「楽しい」「面白い」と思いながら一生懸命に取り組むことなのです。このようにいろいろなボール遊びをすることで体力や筋力が付くのはもちろんのこと、遠近の感覚、力加減、バランス感覚なども身につけていくことができます。ボールが予想外の動きをして思い通りに行かないことも、楽しいものです。

    0歳児のお子さまでも、ふわふわした柔らかい素材のボールや弾力のある固めのもの、大小いろいろなサイズのものを、転がしたり触ったり握ったりして感触を楽しめる遊具です。そして、月齢や年齢が上がるごとにボールの動きを楽しんだり、箱にボールを投げ入れてみたり、お友だちとボールを使ったゲームをしたりと、遊びの幅も広がっていきます。

    外遊びだけではなく、室内で転がすだけでも楽しめますので、お子さまとゲームやルールを考えて一緒にボール遊びの楽しさを味わってみてはいかがでしょうか。                   (保育士 島崎)