• 2020年09月9日 「おままごと遊び」
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    朝夕の空の色や肌を触れる風にどことなく季節の移り変わりを感じる頃となりました。今回は、おままごと遊びについてお話ししたいと思います。

    おままごととは、家庭やお店、病院などの様子を真似した「ごっこ」遊びの1つです。何気ない子どもの遊びですが子どもの成長にとって嬉しい効果があります。それは女の子にとっても男の子にとっても同じぐらい大切です。そんなおままごとの3つの効果を紹介していきたいと思います。

     

    <想像力が豊かになる>

    おままごとは普段の生活で行われる家事や買い物などのやり取りを真似する事から始まります。初めは、1つの動作を繰り返すだけのこともあります。それからだんだんと子ども自身が想像力を働かせて遊べるようになっていきます。例えば、買い物する商品の値段を子どもが考えたりお料理をする場面では「今日のご飯は○○ですよ」など、メニューを決めたりします。どのような状況なのか自分で想像しながら遊ぶことで想像力が豊かになります。

     

    <コミュニケーション能力を高める>

    4歳半~5歳頃になるとお父さん役やお母さん役、子ども役など役を決めて遊べるようになります。これはそれだけ想像力が発達してきたことや他の子と一緒に遊ぶことが楽しくなってきたということです。特におままごとは、他の子どもを巻き込みやすいので、この時期はおままごとが大好きになる子もいます。1人遊びとは違い、お友達や兄弟など自分以外の人との関わり合いを通して会話が上達しコミュニケーション能力を高めることができます。

     

    <言葉が豊かになる>

    おままごとでは役として相手に自分の考えていることを伝える場面が多くあります。お母さん役になったら、お母さんが話していることを思い出して再現しようとします。また、お店屋さんや看護師さんなど、場面が切り替わるたびに同じ子どもが色々な役を演じたりします。いつもとは違う役を演じるために普段は使わない言葉を使うことを通して言葉の語彙力が増えていきます。お友達が使う言葉を聞いてそれを真似することでも語彙が増えていきます。

     

    次に関わり方を紹介していきたいと思います。

    子どもの発想を妨げないように見守ることが大切です。自発的なごっこ遊びを促すためには、あまり口を挟まないことも大切です。子どもが展開に行き詰まっているような場合には「○○はどうしたのかな?」など、指示語ではなく質問できっかけを投げかけることで子どもの自由な発想を邪魔せずに、援助することができます。それから、一緒になって楽しむことも大切です。子どもと一緒におままごと遊びをする場合は、世界観を壊さないように子どもと同じ目線に立つと遊びを楽しむことが出来ます。また、抜けるときも世界観を壊さないよう例えば「お友達と遊ぶ約束があるから公園に出かけてくるね」など役柄に応じた抜け方を心がけることで、遊びを中断せずに抜けることができます。

     

    次は、どんなおもちゃがいいか紹介したいと思います。

    おもちゃはシンプルなのがいいと思います。本物そっくりに作られたおもちゃも喜んで遊ぶとは思いますが、それだと子どもが想像力を加える余地がありません。しかし、シンプルなおもちゃだと子どもは色々な物に「見立てて」遊ぶので想像力が豊かになると思います。例えばカレーライスなどのできあがった食材を再現したおもちゃはカレーライスとしてしか遊べません。例えば毛糸や紐があればラーメンやスパゲッティなどとして遊ぶことや結んで他の遊びに使って遊ぶことができます。また、折り紙を使ってくしゃくしゃに丸めたり細かくちぎったりしてそこから想像力を膨らませて楽しんで遊ぶことができると思います。

     

    保育園でおままごと遊びを行ったとき、カラフルポンポンをコップに入れタピオカに見立てて遊ぶ子やお団子や薬などに見立てて遊ぶ子がいて、ひとつの物から子ども達のいろいろな発想を知ることができました。

    ご家庭で過ごすことが多い今、家にある物を使ってお子様と一緒におままごとで遊んでみてはいかがですか?家族で素敵な時間をお過ごし下さい。                 (保育士 楓)